選択式で目的条文が出たとき、最後に手が止まるのは締めの一句です。「福祉の増進」だったか、「福祉の向上」だったか——。
「生活の安定と福祉の向上」は、5本だけの固定句です
- 健保法: 「もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与する」
- 厚年法: 「労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与する」
- 確定拠出年金法・確定給付企業年金法: 「もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与する」
- 船員保険法: 「船員の生活の安定と福祉の向上に寄与する」
5本とも保険給付・年金給付を行う法律で、句そのものは一字も変わりません。変わるのは頭の「誰の」だけです。
「福祉の増進」は8本——「福祉の向上」と同居しません
労災・雇用・派遣・パート・有期・育児・介護休業・高年齢者雇用安定・高齢者医療確保・介護保険の8本です。
そして28本を突き合わせて分かったこと——「福祉の増進」と「福祉の向上」の両方を含む1条は、1本もありません。「福祉の◯◯」が空欄になったら、その法律がどちらの家族かで一意に決まります。
国年法は「福祉」と言いません
国年法1条に「福祉」の語は出てきません。締めは「もつて健全な国民生活の維持及び向上に寄与する」です。
年金2法を並べると、厚年=「生活の安定と福祉の向上」、国年=「国民生活の維持及び向上」。第2弾で見た入口の違い(憲法25条2項と共同連帯を持つのは国年だけ)に加えて、締めでも年金2法は見分けられます。
ちなみに、「生活の安定と」を伴わずに「福祉の向上」を使う1条は、28本では社労士法だけです——「事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上並びに社会保障の向上及び増進に資し」。「向上」も「増進」も出てきますが、増進が付くのは社会保障の側で、「福祉の増進」ではありません。
この先は「その先」——AIコーチ加入者の読み物です
ここまでが「試験ではここまで」。この先は、答えがそう決まる判断の構造(法律→指針・通達→判例のつながり)まで踏み込みます。
- 全28本・締めの一句マップ
- 「あわせて」の双子——パート・有期法と育児・介護休業法
- 医療系3本の締め——「保健」の座りが違います
- 持って帰る形