障害基礎年金の4類型は、2つの列だけで見分けられます——逆になっているのは20歳前傷病だけ

2026.04.01 法令基準最終検証 2026.07.1710障害基礎年金事後重症基準障害20歳前傷病

広告はありません。事実には出典がついていて、その場で原文を確かめられます。

障害基礎年金には、支給のパターンが4つあります。本来(原則)/事後重症/基準障害(はじめて2級)/20歳前傷病。問題文でこれをサラッと混ぜられると、「あれ、これ納付要件いるんだっけ」で手が止まる。ありがちなつまずきです。
先に結論です。4つを丸ごと覚える必要はありません。見る列は2つだけ——「保険料の納付要件」と「所得による支給停止」。上の3つは同じ側にきれいに並び、20歳前傷病だけが、2列とも逆になっています。
(「初診日にどの年金に入っていたかで、障害基礎年金か障害厚生年金かが決まる」という一段前の話は、[初診日で決まるのは、どの階か](/column/shogai-nenkin-shoshinbi)で扱いました。この記事はその先——1階(障害基礎年金)のの話です。)

まず、4つの顔を見る

① 本来(原則)——国民年金法30条の基本形です。初診日に被保険者だった人(または被保険者だった者で、日本国内に住所があり60歳以上65歳未満の人)が、初診日から起算して1年6月を経過した日(=障害認定日。その期間内に傷病が治ったときはその日)に、1級・2級に該当する程度の障害の状態にあるときに支給する
② 事後重症——30条の2。障害認定日には等級に届かなかった人が、「同日後六十五歳に達する日の前日までの間において」等級に該当する程度の状態に至ったときは、「その期間内に」障害基礎年金の支給を請求することができる。年金機構の障害認定基準も同じ形で定義しています。「傷病により障害の状態にあるものが、障害認定日において……該当しなかった場合で、当該傷病による障害により65歳に達する日の前日までに……該当し、かつ、65歳に達する日の前日までに裁定請求のあった場合に支給する年金」
③ 基準障害(はじめて2級)——もともとある障害に、新しい傷病による障害が加わって、2つを併合して初めて1級・2級になるケースです。年金機構の受給要件フローでは、最後の分岐がこれです。「もともとある障害と新たな障害をあわせることで65歳前にはじめて1級または2級の障害の状態になりましたか」
障害認定基準は、この場面の用語を3つに分けて定義しています。新たに発した傷病(既に発している傷病の初診日以後に初診日のあるものに限る)が「基準傷病」、その基準傷病による障害が「基準障害」、そして基準障害と他の障害とを併合して初めて1級・2級に至った場合に支給されるのが「はじめて2級による年金。「基準障害」と呼ぶか「はじめて2級」と呼ぶかは、同じ場面を、障害の側から見るか年金の側から見るかの違いです。
④ 20歳前傷病——「20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合」。20歳前は、そもそも国民年金に入っていない期間です。

見る列は2つ——納付要件と、所得による支給停止

類型保険料の納付要件所得による支給停止
① 本来あり置かれていない
② 事後重症あり(30条1項ただし書を準用)置かれていない
③ 基準障害あり(新たな障害について)置かれていない
④ 20歳前傷病なしあり
右2列だけ見てください。上の3つは全部同じ。いちばん下だけが、ぽつんと両方とも逆になっています。迷ったら「20歳前だけ別モノ」——これが最短の見分け方です。

納付要件の側

本来は、30条のただし書がそれです。「当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の三分の二に満たないときは、この限りでない」。納付済+免除が3分の2以上ないと出ない、を裏返しで書いた形です。
事後重症については、条文が一行で片づけています。30条の2第2項——「前条第一項ただし書の規定は、前項の場合に準用する。本来のただし書を、そのまま使い回す、と書いてある。だから事後重症にも納付要件はあります。
基準障害は、年金機構がフローの注記で明示しています。「※新たな障害の納付要件等を満たしている必要があります。見るのは、もともとの障害ではなく新たな障害(=基準傷病)の側です。
20歳前傷病だけが、はっきり外れます。「また、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件は不要です

所得による支給停止の側

年金機構が所得による支給停止を定めているページは「20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等」で、そこには理由まで書いてあります。
「20歳前に傷病を負った人の障害基礎年金については、年金の加入を要件としていないことから、年金の支給に関して制限や調整があります」
この一文が、2列の関係を全部説明しています。納付要件を課さない=年金の加入を要件としない。だからこそ、支給の側に制限がつく。 2列は独立した2つの知識ではなく、片方がもう片方の理由になっている——だから「20歳前だけ2列とも逆」という形になります。

所得による支給停止の中身(令和8年度)

まず、止められる側の金額を押さえます。障害基礎年金の年金額は「令和8年4月分から」で、2級・昭和31年4月2日以後生まれの方は847,300円+子の加算額です。この額に対して、次の線が引かれます。
2級(昭和31年4月2日以後生まれ)で見ると、実際の額はこうなります
前年の本人の所得額支給金額
4,794,000円を超える(全額停止)0円
3,761,001円から4,794,000円(2分の1の年金額停止)423,650円
3,761,000円以下(全額支給)847,300円
所得制限は「全部か、無か」ではありません。間に半分の段がある——ここが表を見ないと出てこない形です。

ひとことで持って帰るなら

障害基礎年金の4類型は、「納付要件」と「所得による支給停止」の2列で見分けられます。①本来・②事後重症・③基準障害は「納付要件アリ・所得制限ナシ」で全部同じ。④20歳前傷病だけが「納付要件ナシ・所得制限アリ」で逆になっていて、その理由も年金機構が書いています——年金の加入を要件としていないから
4つをバラバラに暗記するのではなく、この2列と、それをつなぐ一本の線で骨組みを持つ。あとは表で肉付けすれば、問題文で混ぜられても崩れません。
この先は「その先」——AIコーチ加入者の読み物です

ここまでが「試験ではここまで」。この先は、答えがそう決まる判断の構造(法律→指針・通達→判例のつながり)まで踏み込みます。

  • 支給はいつから始まるか——18条の一行が、4類型ぜんぶを決めている
  • 「認定の時期」——障害認定基準が、4類型を一行ずつで書き分けている
  • 65歳の線は、「請求」にかかるのか、「該当」にかかるのか
  • 遡及できるか——「5年分が限度」の正体は、条文が権利を2つ書き分けていること
  • 出題の射程——どこまでが「4類型」の問題か
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出典

この記事は 2026.04.01 時点の法令で書いています。法令・通達・判決文は著作権法13条により自由に利用できます。内容は必ず原文もご確認ください。