「この法律」「この項」は覚えなくていい——4問に1問に出てくる指示語の読み方

2026.07.16 法令基準最終検証 2026.07.163条文の読み方勉強法

広告はありません。事実には出典がついていて、その場で原文を確かめられます。

「選択肢に『この法律』『この章』『この項』みたいな言葉が出てくる。これ、覚えないといけないのかな。線引きが分からない」——受験生の方から届いた疑問です。
数えてみました。当アプリの公開2,376問のうち、問題文・選択肢・解説のどこかに「この法律」「この項」「同条」「次に掲げる」といった言葉が出てくる問題は551問。約4問に1問です。迷うのは当然の頻度でした。
先に結論です。これらの言葉そのものは、覚える対象ではありません。 正体は、条文が自分自身を指すときの指示語です。

条文は自分の名前を名乗らない

雇用保険法6条を原文のまま見てください。
「次に掲げる者については、この法律は、適用しない。一 一週間の所定労働時間が二十時間未満である者」
ここでの「この法律」は、雇用保険法そのもののことです。雇用保険法の条文の中で「雇用保険法は適用しない」とは書かない——自分のことは「この法律」と呼ぶ。それだけのことです。「この章」「この項」も同じで、その言葉が置かれている章や項を指しています。
当アプリは、根拠条文を原文のまま(逐語で)お見せする方針です。読みやすく言い換えた瞬間、その文はもう「条文」ではなくなるからです。だから指示語も原文のまま残ります。「この法律」がどの法律なのかは、解答後の「この問題に効く条文」パネルに法令名と条番号(例: 雇用保険法 第6条)で必ず出ます。そこで確かめられれば十分です。

覚えない言葉と、覚える中身の線引き

出てくる言葉覚える?理由
この法律・この章・この項・この条覚えない条文が自分自身(の一部)を指す指示語
同法・同条・前条・前項覚えない直前に出てきた条文を指す指示語
次に掲げる・次の各号・以下の覚えない「ここからリストが始まる」という合図
別表第一に掲げる事業(労基法)など指し先の中身は覚える指し先の中身そのものが繰り返し問われる
線引きはこうです。指示語そのものは覚えない。ただし、指し先の中身が繰り返し問われるものは、中身を覚える。 たとえば労災保険法3条2項は「国の直営事業及び官公署の事業(労働基準法(…)別表第一に掲げる事業を除く。)については、この法律は、適用しない」と定めています。一つの条文に「この法律」(=労災保険法・覚えない側)と「別表第一に掲げる事業」(=指し先の中身が適用範囲を分ける・覚える側)が同居している例です。当アプリにも「別表」を問う問題が13問あります。この場合に覚えるのは「別表第一」という名前ではなく、そこに何が並んでいるかです。
この先は「その先」——AIコーチ加入者の読み物です

ここまでが「試験ではここまで」。この先は、答えがそう決まる判断の構造(法律→指針・通達→判例のつながり)まで踏み込みます。

  • 実例で「この項」「第二号」を解決してみる
  • 条文の座標系——条・項・号・イロハ
  • 定義規定——条文の「あだ名」の付け方
  • もう一段——原文で追う訓練
AIコーチを見る

出典

この記事は 2026.07.16 時点の法令で書いています。法令・通達・判決文は著作権法13条により自由に利用できます。内容は必ず原文もご確認ください。