静岡労基署長(日研化学)事件|パワハラ自殺と業務起因性
上司の「存在が目障りだ」等の発言による心理的負荷でうつ病を発症し自殺したMR(医薬情報担当者)について、東京地裁が業務起因性を認め、遺族補償給付の不支給処分を取り消した事案。
静岡労基署長(日研化学)事件
争点 — なにが争われた?
上司の叱責・発言(パワハラ)による心理的負荷で精神障害を発症し自殺した労働者について、業務起因性はどのような基準で判断されるか。精神障害下の自殺は労災保険法の「故意」に当たるか。
結論 — どうなった?
ストレスと個体側の反応性・脆弱性を総合考慮し、業務による心理的負荷が社会通念上客観的にみて精神障害を発症させる程度に過重といえる場合に、業務に内在又は随伴する危険が現実化したものとして業務起因性を肯定するとの基準を示した。上司の発言はキャリアのみならず人格・存在自体を否定するものを含み、通常の「上司とのトラブル」(平均的強度II)を大きく上回る過重な心理的負荷と評価。業務に起因する精神障害により正常な認識・行為選択能力が著しく阻害された状態での自殺は「故意」に該当しないとして、不支給処分を取り消した。
覚える一文 — 判決原文のまま・選択式で狙われる
「業務と精神障害の発症との間の相当因果関係が認められるためには,ストレス(業務による心理的負荷と業務以外の心理的負荷)と個体側の反応性,脆弱性を総合考慮し,業務による心理的負荷が,社会通念上,客観的にみて,精神障害を発症させる程度に過重であるといえる場合に,業務に内在又は随伴する危険が現実化したものとして,当該精神障害の業務起因性を肯定するのが相当である」
記憶フック
人格・存在自体を否定する発言=平均的な「上司とのトラブル」(強度II)を大きく超える心理的負荷
試験でねらわれるポイント
- 上司とのトラブルは平均的にはストレス強度II(中程度)=一般的に生じ得る程度なら過重とは認められない。人格・存在自体の否定が「大きく上回る」と評価された
- 過重性は「一般人を基準として」社会通念上客観的に判断する(本人の主観ではない)
- 業務に起因する精神障害により正常な認識・行為選択能力が著しく阻害された状態での自殺は、労災保険法12条の2の2第1項の「故意」に該当しない
このカードは、裁判所が公表する判決文とその要旨をもとにAIが下書きしたものです。「覚える一文」は原文と一字一句同じであることを確認し、さらにAIが再チェックしています。出典は上のリンクをご覧ください。