フォーカスシステムズ事件|労災遺族補償年金と損害賠償の損益相殺
被害者が不法行為で死亡し、相続人が労災遺族補償年金を受給・受給確定した場合、年金と逸失利益の元本との間で損益相殺的調整を行う。調整は不法行為時に損害が塡補されたものと法的に評価して行う。
フォーカスシステムズ事件
争点 — なにが争われた?
被害者が不法行為によって死亡し、その損害賠償請求権を取得した相続人が労災保険法に基づく遺族補償年金の支給を受け、または支給を受けることが確定した場合、損害賠償額をいかに算定すべきか。
結論 — どうなった?
相続人が遺族補償年金の支給を受け、または支給を受けることが確定したときは、損害賠償額を算定するに当たり、遺族補償年金につき、その塡補の対象となる被扶養利益の喪失による損害と同性質であり、かつ、相互補完性を有する逸失利益等の消極損害の元本との間で、損益相殺的な調整を行うべきである。制度の予定するところと異なってその支給が著しく遅滞するなどの特段の事情のない限り、その塡補の対象となる損害は不法行為の時に塡補されたものと法的に評価して損益相殺的な調整をすることが相当である。
覚える一文 — 判決原文のまま・選択式で狙われる
「その塡補の対象となる被扶養利益の喪失による損害と同性質であり,かつ,相互補完性を有する逸失利益等の消極損害の元本との間で,損益相殺的な調整を行うべきものと解する」
記憶フック
将来の年金も現在すでに塡補された」と法的に評価する。
試験でねらわれるポイント
- 遺族補償年金は逸失利益の元本と調整され、遅延損害金(利息)とは調整されない点。遅延損害金は債務者の履行遅滞を理由とする損害賠償債権であり、年金の目的と異なる
- 調整は不法行為の時に損害が塡補されたものと法的に評価することが前提であり、実際の支給時期ではない点。特段の遅滞がない限り、不法行為時に溯って調整される
- 元本との相互補完性がある場合のみ調整対象となり、同性質がないなど相互補完性がない給付は調整対象外となりうる点
このカードは、裁判所が公表する判決文とその要旨をもとにAIが下書きしたものです。「覚える一文」は原文と一字一句同じであることを確認し、さらにAIが再チェックしています。出典は上のリンクをご覧ください。